見えているもの、聞こえているものは、実は人ぞれぞれに異なっている

様々なアスリートを指導する立場におられる、指導者や親御さんへ

ホープスの坂井です。
今日は、先月に私がとある競技団体の17歳〜21歳のエリートクラスアスリート(Tokyo2020またはParis2024で表彰台を狙う選手たちです)向けに行った研修の一部をご紹介させていただきます。

これは「りんご」です。

このりんごを見せた後に、美大生がデッサンしたりんごを見せます。
(実際の研修の際には、まず最初に右のデッサンだけを見せ、次に左のデッサンだけを見せました。)

彼らにこの研修で伝えたのは、

「同じものを見ていても、実は人それぞれに見え方が異なる」

ということです。

同じりんごを見ても、右のようにりんごが球に見えている人もいれば、左のようにりんごが五角形に見えている人もいるのです。

どちらのデッサンが好きか嫌いかではなく、どちらのデッサンが「そこにあるものを正確に視覚で受信できているのか?」といえば、それは左の五角形のデッサンを書いた人でしょう。

理由は、りんごを横に切るとわかります。
りんごのタネは、中心から放射状のキレイな五角形に入っており、このタネの存在がりんごの形状、表皮の(球ではない)微妙な五角形状の姿を作り出しています。

アスリートは身体を駆使して競技に取り組んでいます。
そこにばかり意識が集中しすぎると、「身体だけを鍛え、自由に動かせるようになれば、目指す高みに到達できる、と勘違い」してしまいます。

しかし、置き換えて考えてみてください。
もしあなたが、美大生やプロの画家と同等の「絵を描く技術」を手に入れたとして、もしあなたの眼が「りんごの五角形をキャッチできない眼」であれば、あなたは永遠に左のデッサンを描くことはできないのです。
右のデッサンの質がどんどんと高まるだけなのです。

その時のあなたの眼は、りんごの五角形を見て取れていないのです。
さらに申し上げるならば五角形となっている理由は、りんごの中の奥深くにあります(5つのタネがキレイに放射状に並ぶその構造です)。

あなたには、その「構造も見えていない」のです。

どんなに技術を高めたとしても、見るべきものが見えていなければ、成果は必ず頭打ちになります。

どんなに成果を高め、情報を受信する力を高めたとしても、その奥にある「それがそうである理由(本質的な構造)」が見えていなければ、これもまた成果は必ず頭打ちになります。

1)技術を高める
2)情報受信能力(特に視覚・聴覚・触覚)を高める
3)表面的に見えているものの奥にある、真の理由を見抜く力を高める

それが、世界の頂点を目指すアスリートには絶対に不可欠なのです。

(私たちは、そのことを熟知しています。そして、その力をアスリートたちが身につけるための工夫や実践を、誰よりも多く経験しています。ご興味があればどうぞいつでもご連絡ください。隠すものではありませんので、いつでも喜んでお話をさせていただきます。)

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