「コップの中をみよ!」、 アスリート指導は少人数個別指導でしか実を結ばない

様々なアスリートを指導する立場におられる、指導者や親御さんへ

私が大学-大学院(大学院は中退ですが…)と学び、今も在学中の我が子を通じて多くの学びを得続けている成蹊学園。

創立者は中村春二先生という方です。

中村春二先生は、今から100年以上も前に次のようなことをお話しされていたのだそうです。

口の大きなコップ(生徒)は、水(教育)を入れるのはたやすいが、こぼれやすい。
口の小さなコップは、水を入れるのに時間はかかるが、こぼれにくい。
大小さまざまあるコップ7,80個や50個に1人で水をつごうとすると、コップの大きさにより注ぎ方を変えることができない。

それを図解されたのが以下のものです。

「中村春二 教育図解 “現今教育の缺陥”」中の図

※成蹊教育 第二世紀へのミッション「第4回 成蹊教育の「真価」と「進化」(Part3)」より
http://www.seikei.ac.jp/gakuen/mission/talks/report/04/index3.html

人材育成の基本は、「1対1」です。

これは、大原則であり、ここは絶対に履き違えてはいけません。
ですが、現実的にそれでは仕組みが作れないので、「1(またはn)対N」になります。

この場合、言うまでもありませんが、「N(ラージN)」は少なければ少ないほど良いです。

しかし、トップアスリートの育成にあっても、一部の競技を除いてはいまだ「1対大多数」の指導が多く見られるのが実情です。

ましてや、アマチュア・ジュニアに至っては、ほとんどすべてが「1対大多数」の指導といっても良いでしょう。

もちろん、少人数教育には多くの手間とコストがかかります。

しかしながら、手間とコストがかかるからといって、少人数教育を否定したり、「1対大多数」の指導の正しさを殊更に強調するのは間違っていると思うのです。

さまざまな理由により、できない、続けられない。
それはやむを得ない。

でも、「何があるべき姿か?」「それを実現するにはどうすれば良いか?」を考えることをやめてしまったり、そこから目をそらして自分を正当化していたのでは、指導者として、未来にバトンをつなぐ1人として、ダメだと思うのです

若き日の中村春二先生…少し、私に似てるかも!

※成蹊学園100周年特設サイトより
http://www.seikei.ac.jp/gakuen/about/100th-archive/100th/

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